2011年に、原子力安全庁(仮)のホームページ制作予算に1億4千万円計上されていたのがニュースになった。
▲私が勝手に想像した1億4千万円のホームページ。実際の団体とは関係ありません。
結局「その値段が妥当なのかどうか、もう一度チェックしろ」ということになり、立ち消えになってしまったようだが、私は1億4千万円のホームページを見てみたかった。
例えば、少年漫画雑誌のジャンプ、サンデー、マガジンの人気作家に、原子力に関するweb漫画を連載してもらうとかどうだろう。大人気の作家にコンテンツを作ってもらうなら、金額が高くなるのも納得だし、一般のひとにもわかりやすく紹介できるんじゃないだろうか。子どもたちも、夢中になるだろう。
堅苦しい原子力の説明には興味はないが、それが人気作家の作った漫画になっていたら、頼まれなくても読む。単行本が出たら、買ってしまうかもしれない。
というように、
ホームページのコンテンツにお金がかかる、というのは、個人的には納得できるのだ。
一般的なホームページ制作はどうなのか
ちゃんとした企業のホームページなら、最低ラインは30万円以上だろう。一方、「格安ホームページ制作」 だと、5万円くらいまで値段が下がる。
両者の差はなんなのか。
私は最初、「見栄えの差」だろうと思った。5万円のホームページはきっとショボい、と思ってサンプルページを見てみると、そんなに悪くない。少なくとも、25万円の差があるようには思えないのだ。
では、何が違うのだろう。
高級ホームページでは、お客から「聴きこみ」をして、人が集まるような「コンテンツ」を作ってくれる。つまり、コンサルティングのようなことをやってくれるのだ。格安ホームページは、見た目こそ、そこそこイケているものの、「コンテンツは基本的にご自分で文章を作って下さい」というものがほとんど。おそらく、デザイン費で、5万円がほぼ消えてしまうのだろう。
表にするとこう。
確かに、依頼する側からすると、安い料金で、高級サイトっぽい見栄えのホームページがゲットできるので、オトクな気分になる。しかし、見栄えだけ良く作ったホームページには、全く人が来ない。それはそうだ。
- コンテンツが超面白いけど、デザインが残念なページ
- デザインが超美しいけど、コンテンツがつまらないページ
あなたなら、どちらを見に行くだろう。
しかし、おどろくべきことに、ホームページ制作を依頼する人のほとんどは「デザイン」を重視する。作る側に回ったとたん、大事なものを見失ってしまうのだ。
もちろん、デザインもある程度は重要だと思う。しかし、
「デザイン」目当てで人は来ないのだ。
格安ホームページ制作のあるべき姿
以上を踏まえると、重要なのはデザインよりコンテンツ。
つまり、格安ホームページ制作のあるべき姿は、コレではないか。
さすがに冒頭の、私が勝手に想像した「1億4千万円のホームページ」のようなデザインではまずいだろう。何かを売るだとか、お店に来てもらうには、「安心感」を与えるために、ある程度の「見栄え」は必要である。
まとめると、
「ある程度見栄えがよくて、コンテンツをしっかり作りこんでくれるサービス」というのが、格安ホームページ制作としては、ベストだと思える。
更新料に注意
実は、作るのは格安でも、更新費用だとか維持費用にけっこうお金がかかる、というサービスがあるので注意が必要だ。
「ちょっとここの表現をこう変えて欲しいんだけど」
「はい、5,000円になります」
「え?5文字追加するだけなんだけど」
「5,000円ですね」
「もういい、自分でやるよ!」
「当社作成のホームページは、専用のソフトなどを使用しておりますので、お客様ご自身での更新はできません」
「!!」
また、CMS(コンテンツ管理システム。単なるブログシステムのことをこう呼ぶこともある)を組み込んであるので、お客様にも簡単に更新出来ますよというサービスも少々注意が必要だ。
「その業界のプロなら簡単だけど、初心者には超難しい」というシロモノだったり、「やり方を教えてくれ」と頼むと、サポート費用が有償だったり、「ご自分で勉強して下さい」だったりするところもあるのだ。
つまり、
自分で更新できる仕組み=CMSつきで、「操作方法のサポートが無料、または手頃な料金」というポイントも重要になってくるだろう。
ところで、格安=5万円って妥当?
さて、なぜ私がこんなふうに、格安ホームページ制作について、色々語っているのかを書いてみたい。
ある日、妻が私に言ったのだ。
「ホームページ作りたい。作って。」
妻はピアノ教室を運営している。生徒を集めるのに、ホームページが欲しいということだった。
そして、IT業界に居る人間なら誰でも、ちょちょいのちょいでホームページくらい作れる。そんな幻想を持っているようだった。
作れないことはないが、「あれをこうして」「これをああして」と、細かい注文が山ほど出てきてめんどくさいに決まっている。私はこう答えた。
「あー、ホームページ制作は、ちょっと分野が違うんだよねー。よさそうな業者を探してあげるから、待ってて」
ざっと検索して、格安ホームページの料金の相場や、安さのカラクリもだいたいわかって、妻に聞いた。
「お金、どれくらいかける?」
「…3,000円くらいなら」
「月3,000円なら、年に3,6000円かー。ちょっと厳しいけど、いちおうそれくらいで受けてくれる業者、あるよ」
と答えたら、驚くべき返事が帰ってきた。
「いや…年間で3,000円…」
「そんな値段で出来るわけない。サーバ借りるだけでもそれくらいかかるわ。無理無理、絶対無理」と、これは心の中でだけ叫んだ。実際には「んー」とうなっただけだ。
いや待てよ、なんで無理なんだ? 私の勝手な常識が「そんなの無理」と叫んでいるだけではないのか。
夫婦円満を保つため、「相手の言うことをよく聞く」というのは大事なことだそうだ。今まで、恥ずかしいことに数多くの夫婦げんかをしてきた私だが、多少は学習しているようで、いったん相手の言葉を飲み込んだのだ。本当に無理なのか?いや、いけるのではないか。
さすが私の妻だ、私の凝り固まった常識を壊してくれる。そして、それを受け入れる私もさすがだ。ふっはっはっはっは。
年間3,000円の格安ホームページ制作
1時間ほど自室で考え込んでいた私がおかしな笑い方をしているので、妻が心配して見に来た。
「ど、どうしたの?」
「できる…できるよ。年間3,000円でホームページが」
「え?」
カラクリは簡単だ。
- ワードプレスという無料のブログシステムをベースにホームページを作り、お客が自分で更新できるようにし、更新料を0円に。
- デザインは、「ほどほど」。完璧にお客のイメージを具現化することはあきらめる。
- コンテンツを作りこむため、特定業種(今回はピアノ教室)に特化する。
- サポートを減らすため、操作をなるべくわかりやすくする。
案外こういうの必要とされているのでは?と思った私は、少々時間がかかったが、これを年間3,000円のサービスとして立ち上げてみた。
というわけで、「安すぎて怪しいホームページ制作サービス」が出来上がったのだった。
→年間3,000円の非常識な格安ホームページサービス 「ラクラク更新ホームページ」
http://3000-hp.com
なんだ、結局宣伝だったんじゃねーか、と思われつつ、すみません、すみませんという雰囲気をかもし出して、今回の宣伝を終わる。