最近、ある人の奨めでスティーブンキングを読んだりDVDを見たりしている。
スティーブンキングは、ホラー作家で、序盤のちょっとコミカルな展開に油断して読み進めていくと、後半、恐怖の
ぶすっ、という表現がぴったりのおばさんが、殺人容疑で取調べを受けている。
家政婦として勤めていた家の奥さんが階段から転げ落ちて死んだのだ。長いこと疎遠だった娘も、事件だということで帰ってくる。タバコをばかすか吸い、精神安定剤を山ほど飲みまくる。新聞記者をやっている、忙しい娘なのだった。
母はぶすっ。娘はイラッ。久々に会った親子は、重苦しい空間を作り上げる。
私は、つらい展開の映画は嫌いだ。借りてきたのはいいけど、なんだかいやな展開だし、ここで停止ボタンを押して返そうかと思ったぐらいだ。
けどまあ、レンタル代がもったいないし、別のことをしながらなんとなく続きを見ていた。
徐々に過去が明かされる。離れて暮らしている娘は母を憎んでいるが、それは何故か。長いこと電話が止められているが、それは果たして電話代が支払えないからなのか。
徐々に、ぶすっとしたおばさんの、「母」の部分が見えてくる。決して口には出さない母の、思いやりが見えてきてしまうのだ。
見終わると、何かがじんわりと心に来る映画。いやな感じではない。
ふと思い出して、私も実家の母にメールを書いたりしてみた。