募金サイトの広告収入

先日、「新潟県中越地震を食い物にする募金サイト!?」という記事を書いたところ、色んなサイトさんに取り上げていただきました。ありがとうございます。

 

記事の内容は「あなたの善意のクリックが個人の金儲けに使われている可能性がありますよ。」というようなものでした。

 

今回はもう少し具体的に考えて行きたいと思います。最近、募金サイトとしてはかなり有名になった「募金パーク」さん( http://zai.chu.jp/ )を例に考えていきましょうか。

 

募金パークさんは、自腹を切って中越地震被災地へのクリック募金を始められたサイトです。現在は、協力者さんたちの協力金を原資(募金用に貯めておくお金)として、クリック募金を継続されています。

 

2004/11/10現在で、募金額は約90万円。この90万円は協力金で成り立っています。わざわざ募金パークを経由しないで直接赤十字に振込みすりゃーいいじゃねーか、振込み手数料もかかるじゃねーか、という意見もあります。しかし、募金パークがあったからこそ協力金を出したという人たちも多いんだと思います。

 

善意が集まって90万円。凄いことだと思います。「クリックで救える命がある」で有名な募金サイトの実績を見ても、支援金が90万円も集まるのは滅多にないことだとわかります。

 

そこで終わっていれば、私も募金パークのリンクを自サイトのトップページに貼ったり、及ばずながら支援フラッシュを作ったりして応援していたと思います。

 

が。

 

募金パークトップページの下の方に「ちょっと気になる広告」として、広告バナーが貼られています。この広告バナー部分の収入については一切報告されていません。(2004/11/10現在) 

 

ここに疑問を感じます。

 

「広告バナーの収入も全て募金します」と明記してるわけじゃないんで、広告バナーの収入についてはサイト管理者の方の収入になるってことなんだと思います。

 

ただ、有料サーバを実質無料で借りるために広告バナーを自サイトに貼るのはよくあることですし、ウチのサイトでもやっています。サーバ代稼ぎということであれば、そんなに問題じゃないと思います。

 

しかし。

 

この広告バナーでの収入、どれくらいあるんでしょうか。私のサイトの先月の広告収入で計算すると、アクセス数5,000ヒットあたり2,916円でした。まあ、約3,000円です。

 

募金パークさんのアクセス数は当初、4日間で約300,000ヒットとのこと。そのままいけば1ヶ月間(30日)で2,250,000(225万)ヒットですね。色んなサイトさんで紹介されていることを考えると、現実にはもっと多いんじゃないかと思います。

 

で、さっきの3,000円/5,000ヒットを当てはめると、一ヶ月あたりの収入は1,350,000(135万)円。年収で行くと1620万円。ちょっとした会社の部長クラスの給料と同じくらいでしょうか。

 

せっかく良い活動をされているのですから、広告収入の額も公開して欲しかったと思います。ざっと試算しただけでもけっこうな額になる広告収入。この金額の公開がなかったために、「善意を商売に利用しているサイトなんじゃないか」という疑念がぬぐいきれず、私は自サイトからリンクを貼りませんでした。そこだけが残念でなりません。

 

まとめると、

  • 募金パークさんの活動がきっかけで90万円もの募金が行われた。
  • 非常に良い活動をしていると考える。
  • しかし、広告収入に関する報告が無いため、「善意を商売に利用しているサイトかも知れない」と疑ってしまう。

ということです。

 

なお、今回の記事は批判というよりは、この点を改善して欲しいなあという希望です。

 

募金パーク管理人さんの別サイトカンボジアNGOに「募金パークに関する要望・クレーム歓迎、誹謗中傷は遠慮下さい」とあったのですが、なんか気後れしてしまったのでここにこっそり書いておくことにします。

ちなみに、募金パークさんの批判時によく「信用できる募金サイト」として引き合いに出される「イーココロさん」ですが、こちらは広告収入を募金に使用することを明記されています。が、全てを募金するわけでなく、一部を募金、残りは自分の収入という感じなので、結局商売に利用してるんですね。