新小岩について思う


 都内から千葉に引っ越した私は、総武線の途中で「新小岩」という駅に出くわした。


さしえスタジオ使用
 特にその駅に用はなく、乗り換えもしない。いったん電車が止まって、また発車する。私は電車に乗ったままだ。
 ただ、車内アナウンスが鼻にかかったような口調で「しんこいわー、つぎはしんこいわー」と流れてくる。「し」が「ち」に聞こえないこともないのだが、車内ではそのことに触れて大騒ぎするような人もなく、ただ、電車は静かに走っている。
 いい年をして、そんなことを考えるのは私だけなのだろうか。
 確かめるべく、家に戻った私は「新小岩 ちんこ岩」で検索をかける。
 三万六千件。
 新小岩がちんこ岩と似ていると認識している人が、少なくともそれほどの数いることに安心しつつも、自分の凡人っぷりに少しがっかりしたのだった。
 新小岩に住む人は、ときおり私のような調子に乗った大人から「新小岩って、ちんこいわと間違えそうだよね」とか言われて、また馬鹿が現れたという顔でため息をついているのだろうか。心の底からは思ってないけども、新小岩の人には申し訳ないと思いつつ、今回の日記を終わる。