ホッケを買ってきた。
そう、居酒屋で注文すると、身がポロポロと気持ちいくらいに取れる、あのホッケだ。大きめの切り身二つで269円。
ホッケの切り身に塩をして、料理酒をふりかけ、しばし放置。アルミホイルを用意して、もやしとしめじを敷き詰め、ホッケを乗せる。
しょうゆと、ポッカのレモン汁をふりかけ、アルミホイルをフライパンの上に乗せて加熱した。
じゅっ、じゅじゅう。
軽快な音とともに、あたりに魚の臭いが充満した。
魚の臭いがあるところ、奴らは現れる。
足元では、飼猫の「こと」と「ぱく」が、ええ匂いさせとりまんな、とばかりにうろつき始めた。
ことぱくのうろつき具合は加速し、くふんくふんと鼻を鳴らしながら、匂いの発生源を特定していく。
ニンゲンが我らのために食事を用意しているぞ!と言わんばかりのテンションだが、これは私の昼飯なので、あげません。
火を止め、ホイルを開いてみると、しょうゆが焦げてしまっていた。失敗だ。醤油は仕上げに入れるのがいいようだ。あと、バターを入れるのを忘れた。
けどまあ、食べられないほどの失敗ではないので、お皿に乗せて、ついでに作ったもやしスープと一緒に食べる。
う、うまい。
食事中にも、周囲を落ち着きなくうろうろしていた「ことぱく」は、食べ終えた魚の残骸を片付けるとようやくテンションが下がり、しぶしぶ猫用に用意された食事を少し食べて寝たのだった。