新橋に飲みに行った

元上司のNさんと新橋で飲んでいた。

 

 Nさんは、面白いことなど何一つないと、人生の灰色っぷりを語る。

 

 そんなことがあるんだろうか。私が最近おもしろかったことの一つ、とろろ昆布のうまさに気づいた事件のことを話したが、そんなことには全く興味がわかないとのことであった。とろろ昆布は体にもいいのに。

 

 つまらないつまらないと言いながら、ぼりぼりと揚げぎんなんというおつまみをむさぼり喰うNさん。他のおつまみは私のぶんも残しておいてくれるNさんであったが、揚げぎんなんに関しては容赦がなかった。

 

 ばりぼりばりぼり、いや、そんな音は出ていないが、すごいスピードでぎんなんを喰うNさん。最終的には計3皿、揚げぎんなんを食べていた。閉店時間がもっと先だったら、きっと10皿くらいは軽かっただろう。

 

 そんなNさんだが、コナンの話になると目を輝かせる。未来少年の方ではなくて、名探偵の方だ。イベントに出かけて、思う存分楽しんだんだそうだ。

 

 Nさんは、ぎんなんとコナンを心の支えにして生きているのだ。待てよ、この二つには何か共通点がある。

 

 両方とも語尾に「ナン」がつくのだ。もしかして、カレーのナンにも目がないのかも知れない。

 

 私は、どうでもいいな・・・と思いつつ、酔っぱらった頭でふらふらと家に帰った。