ねこのおしっこ臭ただよう部屋で。


 空気中をただよう、ただならぬ異臭。
 掃除の行き届いていない海水浴場のトイレのような、目が痛くなる匂いが私の部屋に漂っていた。原因はこいつだ。


▲猫トイレの横でくつろぐ、ことさん
 部屋の隅に設置された猫のトイレ。寒い時期はまだマシなのだが、だんだん暖かくなってくると匂いの強まり具合も加速する。部屋にただよう刺激臭は、いつしか私の鼻に侵入し、不快感を感じさせる。
 要するにくさいということだ。あんまりアンモニア臭を嗅いでいると頭痛になってしまう。
 猫砂にぬかりはない。色々な種類を試した結果、猫砂のくせにいい香りのただよう「お茶の猫砂」を常備してある。安物は、猫がいちどおしっこをすると、トイレの中の猫砂全体が再使用不可能なほど臭くなってしまうが、こいつはだいぶマシなのだ。


▲抹茶ドリンクのような香りがただよう、お茶の猫砂
 だけども、お茶のにおいもアンモニア臭には負ける。アンモニア臭には、ファブリーズをぶっかけたって無駄だ。消臭剤の類は、全く聞かなかった。だが、私にはまだ奥の手が残っていたのだった。


▲バイオミックス
 飾り気のない袋に入った、なぞの黒い砂。幸福の砂ですよ幸せになれますよと、霊感商法のオヤジが高額で売っていても違和感のない怪しい雰囲気が漂っている。
 私は、当時のバイオミックス販売ページを見た時と、注文して物が届いてパッケージを見た時、中味の黒い砂を見たときに「だまされる」「だまされたかも」「だまされた!」と思った。
 そして、こいつの効かなさっぷりをブログに書いてやろうと、いじわるな気持ちで猫におしっこされて匂いが取れなくなった靴にふりかけた。予想に反して、20分程度かかったのだが、匂いが消せたのだ。(ただし、バイオミックスの本来の匂いである、土っぽいにおいは少し残った)
 外見だけで判断してはいけない、という人生の教えを学んだ私は、バイオミックスを1kgまとめ買いした。
 そして、その量は養鶏場全体を消臭できる分量だと知って、買いすぎた…どうしよう、そうだちょっと遊んでみようと色々な実験をしたのだった。(→バイオミックス実験室
 その後、人にあげたりなんだりして分量は減り、最後の一袋。今年もおしっこ臭を消してくれるバイオミックスに感謝しつつ、今回の日記を終わる。