会社をさぼって沖縄旅行に行ってきた私は、沖縄料理をこれでもかというほど食べて、少し太った。
色々おいしいものはあったのだが、今回は海ぶどうをクローズアップしてみたい。海草にトビコのような小さな球体がいっぱいくっついている、謎の食べ物である。
▲謎の食べ物、海ぶどう。
正式名称は、クビレズタというらしい。クビレズタ。使い古してぼろぼろになった布切れのようである。俗称として、グリーンキャビアとも呼ばれるらしいが、それはちょいと大げさな気がする。やはり名前は「海ぶどう」のほうがよいのではないか。
海ぶどうは、沖縄のいたるところで売っていた。
那覇空港でも、各おみやげ店でも売っていたし、沖縄料理店なら必ず置いてあったくらいだ。
海草に、小さな緑の真珠が鈴なりについているたたずまい。口に入れて噛むと、ぷちゅぷちゅぷちゅと口の中で球体が連続でつぶれる、なんとも言えない気持ちよさ。味は、というとほんのり塩味のついた海草で、ポン酢などにつけると良く合う。
妻はこれをたいそう気に入り、店でみかけるごとに注文しては、ばくばく食っていた。
しまいには、海ぶどう丼という、どんぶりに海ぶどう満載の料理を食って、かなり満足していたようだ。
さらに妻は、おみやげに海ぶどうを3パックほど買っていた。これらは、「私の海ぶどうたち」と呼ばれ、大事に運搬されていた。
家に着いた妻は「へっへっへっへっ」と謎の笑みを浮かべて、さっそくぼりぼりと海ぶどうをむさぼり食っていた。妖怪海ぶどう喰らいの誕生である。
海ぶどうは、冷蔵庫に入れると実が、というかプチプチが縮んでしまうらしく、常温で保存する。3~4日はもつようだ。だから、比較的通販でも取り寄せやすい。
きっと、「私の海ぶどうたち」が尽きたら、通販で海ぶどうを頼むことになるだろう。妻が飽きるまで。
海ぶどうのプチブームが去るまで、と「プチ」に二重の意味を込めつつ、私も少し楽しむことにて、今日の海ぶどう日記を終わる。