外出して帰ってきたら、寝室からオッサンの臭いがしていた。
私が知らない間に、見知らぬ男が侵入したのではないか。ま、まさか妻の浮気か?
とか言いながら、うすうす感づいていた。この臭いは私のニオイ。加齢臭であったのだ。
▲カレー臭じゃない
来た…来やがった。
ついに私の肉体も、加齢臭を放つ時期が来たのだ。しかも、本人が気づく頃には、すでに相当の臭いを放っていることが多いという加齢臭。私はすでに人間災害となって、家の中はもちろん、会社や電車の中に公害をまき散らしていたのだろうか。
しかも、普通の人間ならば、臭い人に対して「あなた、臭いですよ」などと主張しにくいもの。そこがさらに恐ろしい。
ガマンにガマンを重ねて爆発寸前の人がいたらどうしよう。はっ、一番身近な私の妻はどうなのだ?聞くのが怖かったが、恐る恐る聞いてみた。
「うん、だいぶ前からしてるよ」
やはり!やはりか!
私の仮説は正しかった。本人が気づいた頃には、すでにはるか前から加齢臭がしているものなのだ。しかし、加齢臭に対して困ったりしていないのか、我が妻よ。
「言ってもしょうがないかと思って」
ぬう、見くびるんじゃない。しょうがないとは何事か。しょうがないかも知れないが、しょうがないと言われるのは心外である。あなたならきっと出来るとか、意味なく前向きに励まして欲しいのだ。
妻はめんどくさそうに立ち去った。
その行動から、「まあ、この人もオッサンだから、加齢臭してもしゃーないか」という想いが感じられた。臭くてたまんねーんだよ、ダウニーぶっかけんぞボケが!というほどの気迫はなかったので、ちょっとだけ安心した。
▲外国の、ちょっとキツ目のいい匂い柔軟剤「ダウニー」
しかしどうしよう。本当に風呂場でダウニーを頭からかぶれば、加齢臭は消えるんだろうか。
私は調査を開始した。いともたやすく撒き散らされる私の加齢臭をなんとかする解決策を。その答えは、「柿渋石けん使ったらマシになったわ」「加齢臭サプリ飲んだら、けっこう効いたよ」など、ネットのそこいらへんにゴロゴロ転がっていたのである。だけど、何しても効かないという人も結構いた。
私は想像した。
これから私は数々の加齢臭対策を行い、次々に失敗するのだ。そして、これが効かなかったら、もう一生臭いままでいようと諦めたとき、その最後の対策が効く。私は加齢臭が消えて良かった…とつぶやいて、息絶えるのだ。私の手を握り涙を流す妻、流れるエンドロール。最後には地面からボコッと手が出てきて、パート2に続くだ。
が、なんというか、そんなドラマチックなことは全く起こらなかった。アホらしいくらいに。そろそろ加齢臭対策しなくちゃなーって思ってる人は、対策結果をこちらにまとめたので読んでみて欲しい。
>>>加齢臭サプリ実験室 そのオヤジ臭を消せ!