プリントラップ

プッチンプリンのことを考えていた。

 

 ひっくり返して、底についてる短い棒をぷっちんと折ると、プリンの中身が、ずみょろ、と出てくるアレだ。

 

 大勢の敵に追われているときに、巨大なプッチンプリンを天井にしかけておいて、タイミング良くずみょろ、と落としたらどうだろう。

 

 頭上から巨大なプリンを浴びる敵たち。ひとくちなめると、甘い。少し食べてみると、おいしい。やがて敵たちは私を追うことなど忘れてプリンに夢中になり、私は逃げおおせることができるという寸法だ。

 

 しかし、もう少しで逃げ切れそうだというときに、敵の仕掛けたプッチンプリンが天井に。気づかず、その真下に行ってしまう私。ずみょろ、と落ちてくるプッチンプリン。溺れる。助かるためには、プリンを食うしかない。甘い、おいしい。溺れる、溺れる。もっと食べなければ。

 

 そんなおめでたいことを考えながら、私は今日の終わりを迎えようとしていた。