あるある大事典のせいで、あちこちで納豆が売り切れて買えないようなので水戸まで納豆を買いに行った。
茨城県、水戸。そこは納豆が有名で、豆腐も有名、水戸黄門やあんこう料理も有名という魅惑の土地である。
友人、Mえだ氏とともに、東京駅から高速バスで水戸に向かうことにした。東京駅-水戸駅間が2,080円。1時間50分ほどで着くのだ。私は予想外に乗り換えなどがうまくいきすぎて、待ち合わせ場所の東京駅八重洲口に待ち合わせ予定の20分も前に到着した。
せっかくなのでバスの発着場の場所を確認しようと、東京駅南口に向かうと、Mえだ氏に良く似たおっさんが、何か苦い物が口に入り込んでしまったような顔をして立っていた。似ているわけではない。本人だった。
Mえだ氏は私よりさらに十数分前に到着して、せっかくなのでバスの発着場を確認しに来て、そのまま整列位置の先頭に並んでいたということだ。待ち合わせ時刻の30分前に居るとは、リスクを考慮しすぎではないか。彼は既に、バス内で飲酒する準備を整えていた。ビールとおつまみ数種を既に購入していたということだ。飲酒に対する欲望だけでなく、私の分のバス乗車券も買っておいてくれたところはさすがである。
約40分待って、バスに乗り込む。一番乗りだ。開店直後のパチンコ屋の入り口でみかけるような光景である。
バスの中では皆お行儀良くしていて、酒を飲んで騒ぐような雰囲気ではなかった。Mえだ氏は舌打ちをして、酒をかばんの底に封印したようだ。
バスは高速道路に入り、順調に走っている。乗車率はそこそこ。60%くらいといったところか。
景色が徐々にのどかな感じになっていく。「つくば」という文字が見えた。つくば市に到着したわけではなく、「つくば市までxxキロ」という標識がちらりと見えただけである。やがてバスは、ほんとうにつくば市に到着して、どこだったか忘れたが、高速道路を降りた。
徐々に他の人々もバス停で降りていく。
私たちは終点の水戸駅まで乗っている予定だったが、水戸駅の一つ手前のバス停で降りた。
手始めに攻略予定の、あんこう鍋屋がそのバス停のすぐ近くだったからである。<つづく>